和名の運用方針について
各分類群に対して、iNaturalistではすべてのユーザーが自由に名称を登録することができます。これらの名称は、その分類群の古い学名であったり、各言語による一般名であったりします。名称の登録の方法はこちらをご覧ください。
iNaturalistでは、1つの分類群に対して複数の名称を登録することができます。既に登録された名称は登録したユーザー本人、またはキュレーター管理者が編集・削除することができます。同じ言語の名称が複数登録されている場合、そのうちの1つがデフォルトで表示されます(既定名称)。既定名称の変更はキュレーター管理者にしかできません。
ルールなく名称を登録していくと煩雑になってしまうため、iNaturalistでは和名も含む、名称全般について運用方針が定められています。しかし、その運用方針は基本的なものに限られており、和名にみられる独自の文化や特徴も踏まえた運用方針が必要です。そのため、このページでは、「和名の運用方針」をまとめました。追加すべきことや、改善できることがあればコメントをお願いします。
一般名の運用方針(iNaturalistの公式見解)
以下はキュレータガイドの名称に関する項目の翻訳になります。和名の運用方針についてはページ下部をご覧ください。
各分類群には、1つの名称(学名)の他に、複数の分類群名レコードがあります。分類名レコードは、現在の学名や古い学名、複数の言語による現地語名など、分類群に関連するすべての名称を保存するために使用されます。各名称は、指定された分類群および語彙に対して一意でなければなりません。
分類群の詳細ページの「分類」タブでは、ページの下部にすべての名称のリストが表示されます。iNatユーザーは誰でも、右下の「名前を追加」リンクを使って一般名を追加することができますが、学名を編集したり、他の人が追加した名称を削除できるのはキュレーター管理者だけです。
既定名称(デフォルトの名称)
アカウント設定の「言語」と「場所」の設定により、サイト上での一般名の表示方法が変わります。「名称を管理」ページ(分類群の詳細ページ>分類タブ)で名称をリストの一番上にドラッグして変更することができます。名称を編集して場所に割り当てることで、特定の場所に規定名称を指定することもできますが、これは異なる場所で名称が競合する場合にのみ行ってください。既定名称の一般名を変更する際は、慎重に行ってください。他の多くのユーザーが使用している名称を変更することになるかもしれないことを認識してください。
大文字表記
動物の一般名は、タイトルケースで入力し、各単語を大文字で始めますが(例:Atlantic Blackfin Tuna)、形容詞的なハイフンでつながれた単語の後半部分は大文字で始めません(例:Sulphur-crested Cockatoo)。
植物、菌類、その他の動物以外の分類群の一般名は小文字で記入します(例:spotted gum)。ただし、固有名詞はどこに現れても大文字で始めます(例:Tasmanian blue gum)。
ノート: スタイルの都合上、iNaturalistでは一般名を自動的にタイトルケースで表示することがあります。しかし、一般名はセンテンスケース(文章の先頭の1字だけを大文字にする表記法)で入力してはいけません(例:"Mountain gray gum"ではなく "mountain grey gum"と入力します)。
名称だけにしてください
例えば、"grumblefoots(この属は単型(1種しか含まれない)なので、ただ種のIDを提案するだけです)"のように、名称そのものに加えて、名称に情報をつけ加えないでください。私たちはさまざまな場所でさまざまな理由で名称を使用しており、余計な情報を加えることは、ユーザーをより混乱させ、デザインに組み込むことをより面倒にするだけです(例えば、一般名と学名を同時に表示することができなくなるかもしれません)。名称の誤用が本当に問題なのであれば、名称そのものではなく、コードで処理することが望ましいと思います。
良い一般名と悪い一般名
一般的に、名称は可能な限り具体的であるべきで、一般名も例外ではありません。例えば、Homo sapiensという種に「哺乳類」という名称をつけるのは良くないということは、ほとんどの人が同意するでしょう。ですから、初心者が見つけやすくなると思って、本当の一般名がない無名の腹足類に「カタツムリ」のような名称をつけないでください。むしろ、「カタツムリ」は何千何万と存在するので、見つけるのが難しくなります。その代わりに、その分類群のすべてのメンバーと、その分類群のメンバーだけを説明するような、分類群レベルの名称をつけるようにしてください。一般的に使われている名称がない種は、新たに名称を作らないでください。
例えば、種Cola cokeの下に、Cola coke ssp. classicとCola coke ssp. zeroという亜種がある場合、亜種に対して「Coke」という一般名を追加しないでください。これは、Cola cokeという種のIDを追加しようとしている人を混乱させるだけで、実際に亜種を選択しようとしている人にとっては難しくなります。代わりに、"Coke Classic "や "Coke Zero "のようなユニークな一般名を選ぶようにしましょう。*訳注:和名では種名と亜種名に同じ和名がつけられることがよくあります。
これは、地域性のある一般名(地名にちなんだ一般名)にも当てはまります。アイルランドで入手できるコーラの種類がCoke Zeroだけの場合、Cola coke ssp. zeroに「Coke」という一般名をつけてアイルランドと関連づけてはいけません。その名称は英語の名称を見ている人には見えているので、南アフリカで「coke」と検索してCola cokeという種類を見つけようとしている人は、希望しているものではないにもかかわらず、Cola coke ssp. zeroを見ることになります。(*種Cola cokeに対して「Coke」と名づければ、)アイルランドの人々が「coke」と検索しても、正しい種を選んでいることになります。亜種にしたいアイルランドの人々は、亜種名(あるいはよりよい学名)を使うことを学べばよいのです。
例えば、ある種や亜種が実際にどこか他の場所で同義の一般名を持っている場合など、一般名の重複が認められる珍しい状況がいくつかあることに注意してください。
高レベルの分類群では、すべての下位分類群を説明する一般名を見つけるのは難しいかもしれません。このような場合には、グローバルな既定名称として、「Heron and Allies(サギとシギ)」または「heath family(ツツジの科)」のようなものを使用します。
これらの基準を満たさない名称を見つけた場合、例えば「カタツムリ」という名称の10の分類群を見つけた場合は、容赦なく削除してください。
和名の運用方針
ここに示す方針は強制力を伴うものではなく、今後の議論によって変更・追加される可能性があります。このページが作成されるより前の議論はこちら。
iNaturalistによる一般名の運用方針と共通のルール
和名独自のルール